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「いい家は気合いだ!!」


 俺は18歳で大工の見習いに入って今年で38歳だけど、俺ぐらいの年齢が昔の大工と今の大工の両方を知ってる世代だろうな。昔は「棟梁」って呼ばれる大工の親方がすごい権限があったんだ。独立してから仕事を請け負った時いい大工を集めたきゃ、まず棟梁に酒を差し入れて頼みにいく、それが当たり前だった。

 本当はダメなんだろうけど、家の図面でデザインの凝った、大工から見たら「使い勝手の悪い」設計があるとするだろ、棟梁の中には現場で勝手に変えちゃう人もいたんだから。「こっちの方がいいんだ」って。建主さんの意向なんかないよな。今じゃ絶対にあり得ないよ。昔は仕事さえできりゃ大工は無愛想でも、図面と違うことやっても許されるような空気があったけど、今は挨拶をきちんとできて、図面通りに仕上げる大工がいいって時代になったね。ちょっと寂しいけどな。

 俺が修業に入った頃の親方は厳しかったよ、でもいじわるじゃなかった。
仕事なんかは「見て覚えろ」の時代だ。仕事中は手が止まると怒鳴られるから、親方が帰った後にこっそり親方の仕上げた部分を懐中電灯で照らしてみて、そうやって仕事を覚えたよ。いっつも「おまえ、大工を辞めたいだろ、辞めたいって顔に書いてあるぞ」って親方に言われてた。でもその後「でも絶対に辞めんなよ」って言ってくれてた。今でも覚えているよ。

 入ったばっかりの頃、俺、階段が作れなくてさ。板に墨引いて(寸法に合わせて印を付ける)切り出して、それを取り付けるんだけど、 一晩かかってもできなくて、自分が情けなくてもう半べそだ。そしたら朝に親方が来て「なんだ、なんもできてないべ」って言いながら板に墨引いて、打つとこに印を付けてくれて、「これさえしっかり覚えれば、あとはどんな階段でも造れっから」って教えてくれた。その階段、俺必死で覚えたよ。何回も見て、どうなってるかって考えて。今の俺がどんな階段でも造れるようになったのは、今でも親方のお陰だと思っているよ。

 今の若い大工は、そういう修業はしてないんだ。若い奴らのせいじゃない、道具が違うんだ。今は道具がいいし、2×4(ツーバイフォー)工法とか造り方が決まってるから、3年修業すれば家一軒を建てられるんだ。例えば俺は家の垂直とるっていったら糸を垂らすんだよ、経験と勘もある。けど、今の若い大工は家の真ん中にレーザーの機械を置いて、一発で四方まわり全部垂直とれるからな。機械を使える能力さえあれば技術はいらないんだ。今は大工だってパソコンの時代だよ。

 若い大工を不安がる建主さんもいるけど、今は新しい機械を使える大工の方がいい大工だったりもするんだ。だから若くても心配することはないよ。昔とは違うから・・・。でもどんな大工も建主さんに「うちの家をお願いね」って言われたら頑張るところは一緒だよ。昔から変わらないこともあるんだ。縁起を担いだりとか。じゃあ次はその話にしようか。

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Columnist Profile
大工のケンゾー
北海道に住む、職人歴約20年の大工。24歳で親方として独立し、現在は約30人の大工を抱える経営者でもある。スウェーデンハウスは建てはじめて今年で15年目。今では年間40棟を建てる。スウェーデンハウスをはじめ、「木の家が人にとって住み心地のよい家である」とのポリシーを持つ。